5月27日の参加者より
ピアニスト松川儒先生によるヴォルフの歌曲でした。先生のお人柄でしょうか、終始なごやかな雰囲気に包まれながらレッスンは進められました。歌曲の世界でのみ活躍したヴォルフですが、中には、オーケストラやオペラ化を意識した作品もあり、そういうものを弾く際には、ピアニストは指揮者でありオーケストラであることを強く意識すること、また規模の大きなものこそ停滞しないよう気をつけること。「どう弾いたか」ではなく「どう聴こえたか」が大切だということ。エモーションを起こし、色を作ること。作品を流れる1つの太い幹を崩さず、その上に多種多様な表現をのせること。時に先生が見本を示して下さいましたが、その演奏は自由で多彩で活気にあふれており、まさに「Auch kleine Dinge」小さな歌曲に込められた大きな世界を感じることが出来ました。(三枝美佐)
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