例会のあゆみ
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2005年11月16日号

研究会より

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♪ 参加者から ♪
第87回 特別例会
ドイツリートの世界 〜作曲家の意図と表現方法〜
楽譜


1114日の参加者より

特別例会、リヒター先生の公開レッスンはR.シュトラウスの“Befreit”(解放)を中心に受講させていただきました。私共はテキストを「夫人の死の床に際しての惜別の詩」と思っていましたので、曲創りもそのような解釈にそっているものと考え譜面を読んでいました。かなり霊的な気配すら感じられると話し合ったりしていましたが、先生の解釈ではこの詩は離婚という別れに際し、ある制限から解放されることを表しているということで、解釈の相違に驚きました。ピアノ音型は時を刻むかのように流れていくように、特に“問い”のような連続音は心臓の鼓動のように・・・。間奏のespressivoは、パートナー同士の会話のように雄弁に語ってよいと、かなりドラマティックな演奏になりました。先生ご自身が全曲お聴かせくださり、その深く多彩な音色はすばらしいものでした。テキストの解釈はもとより、先生の音楽創りの中でピアノの音そのものの編み出す懐の深い、音色の雄弁さに圧倒されたひと時でした。音楽表現の可能性の大きさを豊かに感じさせていただきました

(杉山潤子