10月3日例会参加者より
ダリオ・ポニッスィー氏による“オペラ「フィガロの結婚」をめぐってリブレットの正しい解釈”というテーマで催され、沢山の引き出しをお持ちのダリオ先生の軽妙なお話ぶりと内容に大変有意義な2時間でした。
お話は、ボーマルシェの“フィガロ”の物語は「セビリアの理髪師」、「フィガロの結婚」に加えて「罪ある母」の3部作であるというところから始まり、当時の時代背景やモーツァルトとダ・ポンテの創作時のエピソード、登場人物の名前の由来、身分や性格にまつわること等、より深く役を演じることに通じる“リブレットの裏に隠されていることを表現する”ためのヒントを沢山下さいました。初めて知ることにわくわくし、私の中で今まで細切れだった事柄がいくつも繋がっていった時には目から鱗が落ちる思いでした。具体例として第3幕から「手紙の二重唱」の場面を実際に演出して下さいましたが、この場面のスザンナとコンテッサの心情、性格や身分を考慮した役作りへのご指導は論理的でわかりやすく大変納得できるものでした。
演技と歌を良いバランスで作っていくオペラに、ほんの一端でしたが触れることができて本当に楽しかったです。どうもありがとうございました。お世話をして下さった会の皆様、共演者に感謝申し上げるとともに、またこのような機会があることを願っております。 (渡辺深雪)
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