例会のあゆみ
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2005年7月3日号

研究会より

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♪ 参加者から ♪
第83回例会
「G.シャンドールピアノ教本」を歌曲のピアノパートに生かす講座
楽譜

624日例会参加者より 

今月の例会では、「G.シャンドールピアノ教本」を歌曲ピアノパートに生かすというテーマに基づき、平島誠也先生にレクチャーとドイツ歌曲のレッスンをしていただきました。
教本の中で繰り返し言われていること、それはピアノを弾くという「運動」は弱い筋肉を鍛えるのではなく、強い筋肉が弱い筋肉を補ってあげること、つまり全身の筋肉をよりよくコーディネートすること、という理念です。そして、ピアノを弾く「テクニック」を大 きく5つ〜自由落下、五指運動、回転、スタッカート、突き〜に分けて、多くの実例を挙げて説明されているのですが、やはり文字や写真だけではなかなかピンと来ない部分もあります。平島先生のレクチャーでは、それらのエッセンスを非常に短い時間の中で、とても分かりやすく示して下さいました。弾けない難しい箇所という壁にぶち当たったとき、ただ闇雲に長時間繰り返し訓練するのではなく、この5つのテクニックの中のどれをあてはめたら、効率よく弾けるかと考えましょうというお話です。「努力」「忍耐」の好きな日本人は効率よくなんて言ったら、何か不真面目なような、芸術を 冒涜しているような気がするかもしれません。でもそうではなくて、効率よく弾くことによって得られた「自由」や「余裕」を、もっと音楽的な面に使いましょうということでした。講義を聞いて次の日に、早速、今さらっている曲で試してみました。そうやってテクニックの面からアプローチしていっても、結局のところ、求めていた「音 楽」が得られるということも分かりました。とかく対立の構図で考えられがちな「テクニック」と「表現」は表裏一体のもので、そのどちらからアプローチしようとも同じことだと思いました。正しいテクニックで弾けば、きっと素敵な表現につながるし、こういう表現をしたいと追求して行けば、そのために必要なテクニックが見つかる・・・。
最後になりましたが、当日配られた資料の冒頭に書かれていたのが「ピアノで歌う」ということでしたが、これこそ、私が目指していることの究極です。今後は、より身体の使い方を研究し、筋肉のみならずテクニックと表現をうまくコーディネートして、歌うピアノという理想に近づきたいと思います。どうもあり がとうございました。                           ( 三枝 美佐)