白石隆生先生をお迎えして、R.WagnerとR. Straussのオーケストラ伴奏による歌曲のレッスンとなりました。 私は、ピアニストとして受講しましたが、オケ用の譜面と、ピアノ用の譜面を、作曲家自身が両方書いている場合、ピアニストとしては、いかにピアノでオーケストラのように奏するか、あるいは、最終的には、ピアノのために書かれた譜面を、ピアニズムを追求して奏するか、そのバランスのとり方が、最も悩むところです。
白石先生は、スコアの下に、Pf用の譜面を合わせて載せてあるスコアをお持ち下さり、その両方を見ながら弾くことを、提案されました。ffやPの強弱記号についても、あくまでもオケの響きを連想して、読むようにとのことでした。ピアノでは、subito P的になりがちな箇所も、弦楽器、管楽器的に弾こうとする場合は、さらに深い呼吸や、広い間合いで奏くことになります。私は、シューベルト等のリートでは、特にフォルテピアノを、そして、ベートヴェン等では、弦楽四重奏、木管アンサンブルをイメージしてみることが多いのですが、ここでは、それらとは、又、異なる耳の使い方をするよう、もっと、はっきりと頭を切り替える必要を感じました。
ピアノという楽器の多様な可能性をも、改めて、考えさせられました。歌い手に対しても、数々のアドバイスをいただき、大変充実した内容の一夜でした。
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