例会のあゆみ
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2003年3月9日号

研究会より

今月のワークショップは、体と音楽のつながりを実際に動きながら体感するよい機会となることでしょう。聴講者もごいっしょに体験してみませんか。

♪ 参加者から ♪
第59回例会「一つの詩への複数の作曲家により付曲/ドイツ歌曲」

楽譜
2月の例会は、大島博先生によるJ. W. ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」の中で、“ミニヨン”という少女に歌われる4つの作中詩に対するF. シューベルトとH. ヴォルフによる付曲の違い、というものであった。

学生時代、ベートヴェンの以下のような考えを本で知った。「音楽とは、心の生活と感覚の仲介者です。ゲーテは私を分かってくれるでしょうか。旋律は詩歌を感覚的に生かすものです。詩の知的内容は、旋律により、感覚的な感受性へと転換されるのではないでしょうか。旋律を通してこそ、ミニヨンの歌の感覚的な性質を十二分に味わうのであり…」。その時、どうして歌曲の方が、詩の朗読より、激しく心が揺すぶられるのか、わかったような気がしたが、実演するとなると、様々な要素を考えなければならない、こともわかった。

拍子、フレージング、音色、強弱、バランス等の音楽的な側面、そして、作曲者のミニヨンのとらえ方の差、シューベルトは、ミニヨンを「無垢な清純な少女」としてとらえているが、ヴォルフは、ハムレットの「オフェリア」のように、一般的な人が見たら、「少し狂った少女」としてとらえている、等内容に立ち入って教えていただけて、とても勉強になった一日だった。

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